俺の言葉に、一度だけ体を跳ねさせた神無は 「ん。……ありがとう」 そう言うと、俺の胸にぐりぐりと頭を擦り付ける。 その動作がまた、甘えてくる小動物のようで…俺は胸の中から愛しさが溢れてくるのを感じた。 寝ていたせいか、少しボサボサになった黒髪に指を差し込み、ゆっくりと梳いていく。 「ふぁ……」 気持ち良さそうに目を閉じ、体から力を抜く神無。 そんな安心しきった神無の様子を見て、胸の奥が温かくなるのを感じながら。