「ッ!」 強い霊力の塊が私の身体にぶつかり、強い風と閃光を撒き散らす。 それと同時に、先程まで動かし辛かった手足の感覚が急速に戻ってきて、その違和感に思わず眉をしかめる――けれど。 「倒れる、訳には……っ!」 私は一生懸命その場に踏ん張ると、兄ちゃんが渡してくれた霊力の全てを受け入れた。 視界の隅で、黒ずんでいた私の霊力が急速に赤色に戻ったのを確認して…私は顔を上げる。