――元々、『鬼狩り』一族の中でも高い霊力を秘めていた兄ちゃん。 その霊力が一点に集中し、次第に風を纏った大振りの刃が形成され始める……! 「く…カハッ……!」 霊力を大量に消費し、口から血を吐き出す兄ちゃん。 「兄ちゃん、それ以上は……!」 それを見て焦った私が、制止しようと思わず声を上げたその時――… 「可愛い妹を、助けるため…なら、兄ちゃんは何でもできるんだ、よッ!」 気迫のこもった言葉と共に、赤い刃が勢い良く私の方へ放たれた。