「うん。ありがとう」 私は笑顔を作ってそう返すと、頭の上に置かれた龍真の手に自分の手をを重ねた。 そして、その温もりを十分に感じてから――… 「……兄ちゃん!」 反撃の火蓋を、自分の手で切って落とした。 私の声を聞いた兄ちゃんは、こちらを見て小さく笑うとズボンのポケットから符を取り出し―― 「ぅ、ぉぉぉおおおおおお!」 全霊力を、その符に集中させ始める。