「おじいちゃん。今まで、『道具』としてでも――育ててくれて、本当にありがとう。 でも……ごめんなさい!」 勢い良く頭を下げると、力の入らない体で必死に立っていたお姉を半ば引きずるようにして、おじいちゃんから遠ざけた。 そのまま、お姉の身体を坂下君へ預けると 「私はもう――貴方の協力をする事はできません」 お兄と片桐親子の横に並び、そのまま振り返った。 途端、視界に入るのは怒りに震えるおじいちゃん。 その表情に、胸の中を一瞬だけ罪悪感が過ぎるけれど――…もう迷わない。