そして、『鬼』のほとんどが、おじいちゃんの持つ赤い石に吸収された頃。
『め、あ…り……』
名前を呼ぶ声が、聞こえた。
…それは、少しの物音に紛れてしまいそうな程にか細くて。
今にも、消えてしまいそうで。
それが悲しくて、申し訳なくて、嗚咽を漏らしながらそちらを見れば
『しあわ、せ…に……』
着ていた洋服を口から吐き出した鮮血に染め、顔を真っ白にしながら
黒い石を握りしめて微笑む、おじいちゃんの姿があって。
『あ…いし……て………』
そう呟くと同時に『鬼』を完全に吸収し終えたおじいちゃんは、その場に――倒れた。

