心臓をドキドキさせながら、そっと靴を履いて玄関から出る。 靴の裏で石のこすれるジャリ…という音が、闇の中でやけに大きく反響した。 『…………さて』 私は、今さら感じた心細さを消すように呟いて、一枚のはがきをリュックサックから取り出した。 シンプルなイラストの描かれたそれは、父さんと母さんの家――すなわち、ユウヤとカンナの家からのもの。 『会いに行く』とはいえ、彼らの住んでいる場所を知らなかった私は 正月に届いた年賀状を参考に、家を探す事にしたのだ。