物心ついた時には、私はおじいちゃんに育てられていた。
おじいちゃんは、優しかった。
『人を傷つけてはいけないよ』
『笑顔と、ありがとうやごめんなさいを素直に言える子になるんだよ』
そう言っていつも笑ってくれるおじいちゃんが、私はとても大好きだった。
……でも時々おじいちゃんは、私を通して他の誰かを見ているような…そんな、遠い目をする時があって。
『……おじいちゃん?』
『ん?……あぁ、どうしたんだい?』
『……んーん。なんでもない』
幼いながらも聞いちゃいけない気がした私は、いつも聞くのをやめていた覚えがある。

