地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜




……今でも鮮明に思い出せる。

初めて神無を抱きしめた時の感動。

霊力を吸われた時の驚愕。

そして…『いずれ神となる子だと確信し、『神無』と名付けた事。


「じゃあ…私の名前って……」

「そう、わしが付けたのじゃよ」


わしはそう言うと、目を細め穏やかに笑ってみせた。


「へぇ……」


そんなわしに神無は、先程よりも緊張の緩んだ表現で頷いた。

恐らく、その拘束された状態に慣れてきた事、わしに攻撃の意思が無い事を理解した事が理由だろう。