……今でも鮮明に思い出せる。 初めて神無を抱きしめた時の感動。 霊力を吸われた時の驚愕。 そして…『いずれ神となる子だと確信し、『神無』と名付けた事。 「じゃあ…私の名前って……」 「そう、わしが付けたのじゃよ」 わしはそう言うと、目を細め穏やかに笑ってみせた。 「へぇ……」 そんなわしに神無は、先程よりも緊張の緩んだ表現で頷いた。 恐らく、その拘束された状態に慣れてきた事、わしに攻撃の意思が無い事を理解した事が理由だろう。