地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜




「そうして、『鬼』さえも吸収した彼女は、市民から見れば『厄払い』の対象。
自分達の負の感情を吸い取ってくれる、便利な女子でしかない。

ゆえに、【神】と呼ばれた」

「……………」

「そして【鬼巫女】とは、『鬼』や『負』の感情を直接吸い込んでも平気な陽子を見た一族の人間が

尊敬と畏怖の念を込め、彼女の事をそう呼んだそうじゃ」


わしはそこで一度言葉を切ると、怯える神無の顔を覗き込み


「似ているとは、思わんかね?」


目を細め、笑みを深めた。