「……………!!」 思わず息を呑んだ私に、「それだけじゃないわ」と吐き捨てるように言う芽有。 私の髪を掴んだままの手にギリ…と力を込めると ・・・・ 「親も、愛も、霊力すらも…私から奪っていった ――全部ぜんぶ、お前のせいだ」 そう言いながら、私の髪は強い力で引っ張られ――…刹那。 「――芽有」 ギィ…、と扉の軋む耳障りな音と共に 一人の男性が部屋の中へと入ってきた。