心の中で芽有を褒めつつ、 「うん、双子の妹の芽有だよっ」 そう答えていると、奥から黒い影がこちらへやって来た。 その正体は――… 「神無、大丈夫?」 店の騒ぎに気付いた、吸血鬼姿の龍真だった。 「大丈夫、ありがとう」 私はそう答えながら、そろそろ仕事へ戻ろうとして――… 「琥珀ちゃん…そろそろ離し、」 「わぁ。この人が神無ちゃんの彼氏なの!?裕也兄ちゃんよりカッコイイね!!」 その無邪気な一言に、一瞬で空気が音をたてて凍った。