「………、………、」 何事かを呟きながらこちらを向く男の目が、 ―――赤く染まっていたから。 「………なにあれ」 思わず呟くいた私に、男は右腕を振り上げて迫ってきた。 赤い瞳は殺意に輝き、その勢いも気配も『鬼』そのもの。 「―――破ッ!!」 かなりイレギュラーだけど………『鬼』に憑かれたと見て間違いは無さそうだと判断した私は、 『符』を使って鬼狩りの力を行使する。けれど、 ―――放った霊力は、男へと吸収されただけだった。