地味なあの子は鬼狩り少女3 〜深紅の瞳〜



「………、………、」


何事かを呟きながらこちらを向く男の目が、



―――赤く染まっていたから。



「………なにあれ」

思わず呟くいた私に、男は右腕を振り上げて迫ってきた。

赤い瞳は殺意に輝き、その勢いも気配も『鬼』そのもの。

「―――破ッ!!」

かなりイレギュラーだけど………『鬼』に憑かれたと見て間違いは無さそうだと判断した私は、

『符』を使って鬼狩りの力を行使する。けれど、



―――放った霊力は、男へと吸収されただけだった。