その数日後、私は初めて当時付き合っていた彼の家に遊びにいった。


一人暮らしには広すぎるほどの部屋。


部屋数も多く、自分の家よりも過ごしやすい空間。


彼に許可を取り、私は全ての部屋を見て回った。


リビング、トイレ、お風呂場、空き部屋……。


寝室のドアを開け、私は身を固まらせた。



「白いダブルベッド……」



思わず口から零れ落ちた。


信じられなかった。


全てがあの夢と同じ。


部屋に入って直ぐ左側にある、三つ縦に並んでいる部屋のスイッチ。


全て白で統一されている、枕、ベッドカバー、掛け布団……。


もしかして、私は彼の部屋を夢の中で盗み見してしまったのかもしれない。


夢に見た時、彼が居なくて良かったと、心から思った。