「ダイジョブダイジョブ。俺野宿とか慣れてるから」
「はあ」
「こう見えても日本中旅してまわってるからね。宿代なくて結構外でごろ寝してる」
「…………」
「ってことで、どう?」
「どうって……」
「おいでよ」
“ね?”と言って、トーヤが笑う。
……あぁ、もういいや。
押し負けた。
「……わかりました。じゃあ、ちょっとお邪魔します……」
「そうこなくっちゃ」
「あ、でも野宿はしなくて結構ですから」
「セナノちゃんてば優しいー」
「いや、申し訳なさ過ぎるので……」
「気にしなくていいのに……セナノちゃんの健気さにお兄さん涙が出そう……」
「そうですか……」
「まあ女の子の前で涙は見せないけどね。紳士なら泣いてる乙女にハンカチ渡す」
「さっき渡されませんでしたけど」
「うん、ごめん。うっかり忘れてきちゃったんだよね」
ダメだこの人。


