周りの子は空気を読んで遊びに行った。




「稀緒お姉ちゃんはだいじな人いる?」




奏ちゃんは下を向き、問う。




「うん、いるよ。」




奏ちゃんは奏斗を見ていただろう。




「さみしかったよ、こなくて。
 もうこないかとおもった。
 お姉ちゃんのたいせつな人、
 あのお兄ちゃんでしょ?」




「えへへ、鋭いなぁ・・・。」




「おれは、たいせつ?」




小さい男の子なのに、
どうしても鋭い目に勝てない。




「奏ちゃんは、
 写真の大切さを教えてくれた。
 忘れてた凄い大切なことを
 思い出させてくれた。」




奏ちゃんは真剣な眼差しを向けて来る。




ウチはニコッと微笑んだ。




「大切だよ、奏ちゃん。」




オレンジ色に染まり始めた空に
また1本の線が縦に入っていた。