「小菅サン?
 “今”から逃げちゃ駄目だよ。」




水神サンがそっと言う。




辛くて崩れそうになったとき、
偶然出逢った水神サン。




何度も助けてくれた。




ウチはもっと写真が好きになった。




「悟、そろそろ行きましょ?」




ロス行きの飛行機のアナウンスが入る。




人が登場口に吸い込まれていく。




「小菅サン、じゃーね。」




「じゃぁね、稀緒ちゃん。」




2人はゆっくりと歩き出した。




「水神サンっ、ウチは写真続けますよ!
 日本に帰ってきたら、
 絶対成長した所、証明しますから!」




水神サンはニッと笑った。




そして旅立ちの時を迎えた。