○●奏斗SIDE●○




「なぁっ、雅人っ!」




雅人は俺を引っ張り続ける。




「奏斗・・何であんな言い方っ!」




雅人までも顔を顰めていた。




稀緒はひとりで立ち上がってる。




それを邪魔する権利は俺にはない。




「しょうがないんだよ・・っ!」




俺にはどうする事も出来ないのだから。




所詮、ただの中学生。




上手い事なんて考えられないんだ。




一言で俺は人を傷つける。




しかも大事な大事な稀緒を。




今までいっぱい傷ついてきた稀緒を




俺はもっと傷つけた・・・。




1番罪なのはお前の母親じゃねぇ。




“俺”なんだ―――――。