そう思いたった俺は立ち上がると日向を見据えて口を開く。 「そういうことは早く言え。…ならば出るぞ」 「申し訳ありませんでした。では参りましょう」 話しながら部屋のドアを開ける日向を一瞥して、俺は指を鳴らした。すると今まで着ていた衣装からこちらでの正装である軍服に変わって。 「…あぁ」 ここが魔界で、俺がヴァンパイアであることを深く実感し俺は思わず眉をひそめた。 透子が、遠くなる。 …そっと目を閉じれば甦る透子の笑顔が、今はただ。 俺には痛くて苦しくて。