常陸とは違う腕。
体温も、匂いも違う暁に抱き寄せられた私はびっくりしてしまって動けなくて、されるがままで。
「俺は透子が好きなんだ。ずっと言ってきたのに、知らんぷりし続けたのは透子のほうだろう?」
私の耳元で話しているからか、くすぐったくてぞくぞくする。
唯一できた抵抗は首を振ることぐらいで、それも無意味に近い。暁の腕の力はいっそう強くなって、私と暁はすっかり密着してしまっている。
「…や、離して」
「嫌だね。―――俺にしとけよ、俺ならそんな風に泣かせない」
すっかり引っ込んだ涙の跡を、暁の指がゆっくりとなぞる。
そうされているうちに視線がかち合って、私の胸の奥がざわざわと何かに飲まれていく。
金縛りにあったみたいに身体の自由が利かなくて、怖くなった私の瞳からはまた涙が流れて。

