終わらない恋になれ






顔を上げれば、コンビニの袋をぶら下げた暁の姿。
私が何も言わないでいると暁は首を傾げながらもこちらに寄ってきて私の座っているベンチに腰を下ろした。



「こんな天気いいのにしけた顔してんなぁ」


「………うるさい。てか暁の家ってこの辺だったの?」


「あぁ。言わなかったっけ?」


聞いてないよ、と私は心の中で言いつつ再び視線を足下に戻す。
そうすれば、ぴちちと鳴く鳥の声以外何も聞こえなくなって。


この無言が今はちょうどよかった、のに。






「………あの男のことだろう?」


暁は不意にそうつぶやくのを耳にして、私の心臓はぎくりと揺れる。
顔を上げれば、いつも以上に真剣なまなざしとぶつかった。