頭を下げてから数拍後。
静けさを取り戻した公園の真ん中で、私は頭を上げる。
視線の先にたたずむ常陸は少しだけ呆れた様子で私を見ていた。
かと思うと、何かを諦めたかのように盛大なため息を一つこぼして。
「………俺の方こそ、悪かった」
そう言うと公園の入口の方に向かって歩き出したのだ。
「あ、ちょっと!どこ行くの!?」
「―――帰るんだよ、透子の家に」
いきなり歩き出した常陸に慌てて声をかければそう返ってきた言葉。
…初めて呼ばれた私の名前に照れくさくなった私は返事もせずに常陸の背中を追いかける。
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