「―――え、」 何。何これ、小人!? 私がそれに顔を近づけてしげしげと見つめると、その小人はかごの中から偉そうに腕組みをして私を見上げて。 「俺は貴様の伴侶となる者だ」 小人は見た目にそぐわない低く鋭い声でそう告げたのだ。 「は?伴侶…って、てかアンタ何者!?」 慌てる私とは対照的に、小人はただ腕を組んで私を見上げるばかり。 …数分にらみ合っていたけど、らちが明かない。 早く帰りたくなった私はかごの中に手を伸ばし小人を掴むと、別の自転車のかごにそれを移動させた。