―――傷つけたんだろうな。
私の言葉で、常陸は傷ついてしまったのかもしれないと思った。


自分だって十分すぎるほどの暴言を受けたはずなのに、不思議とそこに怒りや悲しみはなくて。


傷つけたんなら謝らなきゃ。
そう思った私は玄関を飛び出して道路に出る。
あてもない中で、まずはと向かって右へ走り出したのだった。










「…うーん」


どこ行ったんだ。


今私が探しているのは、このあたりでも比較的にぎやかでバイト先のファミレスも並んでいる通り。


でも常陸らしき姿はない。走りっぱなしだった私は乱れた息を整えつつ、辺りを見回しながらも彼のいそうな場所を考えるのだった。