時計の音だけが聞こえる。
私以外誰もいない部屋の天井を、私は床に寝転がったまましばらく眺めていた。






…図星、だったのかな。
まぁ、たぶん図星だったんだろうな。あんな風に出ていったんだから。



「…どこ行ったんだろ」


このあたりにどんな建物があってどんな地形になっているのか常陸は知らないはず。
…迷子になってやしないだろうか………



「…探そう」




そう言った私はもそりと立ち上がり、携帯と財布、家の鍵だけを小さなショルダーバッグに入れた。