だとしたら。 だとしたら私も、常陸にかけられている呪いとやらが解けたなら――… ―――あれから食料品を買い、家に帰ってきた私たち。 常陸は暇つぶしにと買った携帯ゲーム機で必死に某配管工を操って姫を助けに行こうとしている。 私はというと、出かけた先で漏れた常陸の本音であるだろう言葉を頭の中でぐるぐる巡らせながら夕飯の準備をしていた。 (血を得るだけの存在…) 常陸から見れば、私はこの食材と同じ。 …そんなものとまともに結婚しようとするのだろうか。