大学の休みも終わり、卒業に必要な単位も無事取り終えた私は週に一度ゼミに参加するために通学すればよい。
なので、その日は私のアパートに常陸がやってきてそれ以外は魔界のあの屋敷で過ごすことにしたのだ。


若狭さんの一件があって以来、私を一人にしたくないという常陸に日向さんも賛同し、どうやら常陸のお父さんであるヴァンパイアの王様もそれを了承した、らしい。
…過保護だなぁと思いながらも、なんだかその扱いが嬉しくてくすぐったかったりもする。






「いってきます」


―――チュッ、と。
常陸の唇に軽くキスをすると、常陸の緑色の瞳がとろけるような様子を見せる。



「終わった頃迎えに行くからな」


そう言って私の腕を取る常陸。
その手首に光る水晶のブレスレットが常陸の瞳の色を反射したようにチカリと光った。