…何か気に障るようなことでも言っちゃったのかな。
婆さんはそのまましばらく何も言わないで空を眺め、何かに思いを馳せているようだった。
私がそんな婆さんに声をかけようとするのを常陸が制して、その代わりにと口を開く。
「婆。どうした」
するとようやく視線をこちらに向けた婆さんは、ふぅと息を吐いて。
「いや、ちとな………」
そう言いながら私のそばまでやって来て。
「ぬしなら、…殿下の呪いを見事解いたぬしなら、この婆の二の舞にはなるまいな」
それでいい、とつぶやくと婆さんは常陸を見上げて神妙な顔つきをする。
腕組みをして不機嫌そのものな常陸もさすがにその態度を改め婆さんと向き合った。

