日向さんに見送られながら屋敷を出て、森を抜けるとだんだん人通りが多くなってくる。
こちらに来て以来初めての外出に私は興奮して、常陸と繋いでいる手に力を込めて早く行こうとせかしていた。
「今更なんだけど、ヴァンパイアなのに日光も平気なんだね」
「…今更だな。それは我らを恐れる人間の抱く幻想であって、昼でも夜でも変わりはない」
「なるほどね。あ、てか今からどこ行くの?」
「そうだな。………繁華街のほうにでも行くか。透子が俺にしてくれたように、俺も何か買ってやる」
そんな会話を交わしながら私たちは繁華街に向かう。
常陸はいつもの軍服姿で、私は常陸から渡されたヴァンパイアの女の人が好んで着るワンピース姿。スカートはあまりはかないから慣れないけど、常陸が選んだものだと聞けば着ないわけにはいかない。

