「…いいの!?」


魔界の空気にはだいぶ慣れてきたとはいえ、ただの人間が屋敷の外に出たら身の安全が保証できない、と日向さんに脅されて以来私はいつもここから外を眺めるだけだった。
ただ、私も常陸も忙しいのはわかっているから何も言わないでいたのにどうやらお見通しだったようで、彼はこちらを見てクツリと笑っている。



「かまわない。…まぁ、そのかわり」


そう言って私の背中に腕を回して引き寄せると、そのまま顔が近づいてきて。






「………ん」


私の唇を舌でこじ開けながら、深いキスを繰り返した。


いつの間にか壁に身体を押しつけられ、されるがままの私も精一杯常陸に応えようとキスを受け入れる。それに気をよくしたのか、常陸はしばらく唇を離さなかった。