その言葉に私は常陸の背中に腕を回して、ぎゅっと力を込めた。
「夢だなんて、…やだよ。せっかくこうしてるのに」
これが夢なら。
…夢から覚めた私はきっと、もう立ち直れないから。
せっかく常陸と心が通じ合ったばっかりなのに、と思いながらそう漏らすと、私の頭を撫でていた常陸の手が私の頬に添えられる。
「…ったく、透子は俺を煽るのが巧いな」
すると常陸はそんな私の言葉を聞いて小さく笑い、そう言うやいなやまた私に顔を近づけてきた。
「そう言うなら、これが現実だって実感させろよ」
囁くような声と同時に、キスの嵐が降ってくる。

