「………ぅ、ん…」


触れて。
離れて。


最初はただ重なるだけだったキスはだんだん深くなっていく。



「…もっと、だ」


啄まれ、歯を立てられ。
愛おしそうにゆっくりと舐められて、そのたびに身体がとろけそうだった。






………ほんの数分なのかもしれないし、何時間もこうしていたのかもしれない。


私は、チュッと音を立てて離れていく常陸の唇をぼんやりと目で追っていた。すると常陸は私の身体を起こし、隙間なんてないようにしっかりと抱き締める。



「夢みたいだ」


それだけつぶやいて、私の頭を何度も撫でる常陸の声は穏やかなものだった。