そう言おうとして、落ち着こうと小さく息を吸って。 口を開いた、まさにそのとき。 「……………好きだ」 ぽつり、と。 私の嗚咽以外聞こえなかった部屋の中、常陸の声が響いた。 「透子は、餌なんかじゃない。…好きだ。今こうやって、触れているだけで、愛おし過ぎて、苦しい。………どこにも行くな、俺の、そばに、いろ」 喉元にあった常陸の手はいつの間にか私の頬を包んでいて、私の涙を指ですくうように拭っていく。 その指が。 かすかに震えていて。 「…ほ、んと、に?」 そう確認する私の声も震えて。