パチリと瞳を開けた先に映るのは小人のはずだった。なのに、実際は小人がそのまま大きくなったような男の人の顔。



「え。…誰」


「貴様の頭は鶏以下か。俺の姿をこんなに早く忘れるとは」


「………常陸!?」


おっきくなってる!、と騒ぐ私をベッドから引きずり降ろした男の人は呆れたように頷くと昨日寝かせてやったクッションの上に腰を下ろした。



「理由は我もわからぬ。目が覚めたら元の姿に戻っていたのだ」


「そうなんだ。…元の姿ってことはヴァンパイアに?」


そう訊ねれば、返ってきた返事はそれを否定するもので。