―――翌日。
朝食後、だるい身体を何とか動かして窓際に移動した私は窓の外をぼんやりと眺めていた。
空を流れる雲もさえずる鳥の声も家のベランダから見える景色と変わらない。
でも窓を開けてしまえば途端に息苦しくなって立っていられなくなる。…昨日の夕方それをやってしまい、日向さんに怒られたばかりだから今朝はもうそんなことをするつもりもなかった。
(外、行きたいな…)
部屋の中にばかりいるからか気持ちがうまく切り替えられなくて、私は昨日からずっと塞ぎ込んでいた。
「透子様、よろしいですか」
ドアの外からそう話しかけてくる日向さんに返事をすると、彼は薄紫色の液体が注がれたグラスを乗せたお盆を手に部屋に入り、にこやかな笑みを浮かべてこちらに向かってくる。

