(…あ、ぁ………) ―――そう、か。 そうだ、そうだよ。 常陸は私の前から姿を消したんじゃない。 だったら私になんか会いたくないはずだよ。 …何考えてるんだろう、私は。 私がここにいるのだってイレギュラーなもんで、本来ならもう二度と会うこともなかったんだ。 馬鹿だ、私――… 「…じゃあ、何だったのかな」 いかにも高級そうなブランケットを握り、かくかくと震えだした指先を隠す。 「…透子様?」 「じゃあ、アイツは何で私のとこに来たの?」