ただ聞いたつもりだった。
…でも私がそう言った瞬間日向さんの表情が強ばって、目を見開いたまま私を凝視している。
聞いちゃいけなかったのか、と考えてうつむく私に、日向さんは静かに口を開く。
「……………透子様には会わない、とおっしゃっています」
そうして紡がれた言葉は私を動揺させるに十分で。
ドクン、と明らかに鼓動を強めた心臓が痛くて苦しい。
「え………?」
「…透子様は魔界特有の毒に犯されまだ解毒し切れておらず、その処置にはあと数日必要です。そして、それが終わり次第速やかに人間界に帰すように。…私が受けた指示は以上です」
相槌も、瞬き一つ出来なくて私はただ日向さんの話を聞いている。

