「……………ぅあ」


ぱちりと、目が覚めた。


妙に身体が重くて起き上がることが億劫だったけど、ゆっくりと上体を起こす。
視界には見たことない部屋の様子が飛び込んできて私は首を傾げていたとき、ドアが静かに開いた。



「…と、透子様!お目覚めになられたのですね!?」


ドアの隙間から顔をのぞかせたのは日向さんで、慌てた様子で私のいるベッドのそばにやってくる。大げさすぎるその様子に私が肩を竦ませると、日向さんは少しだけ安心したように苦笑いを浮かべた。



「え、え?」


「…透子様は二日間ずっと眠ったままだったのですよ?お身体の様子はどうです?些細なことでもおっしゃってくださいね」


その言葉に、私は声を失ってただ日向さんと視線を合わせたままだった。