「ロンドン!?…相変わらず突拍子ない行動パターンだね」
確か去年もドバイに行ったとか言ってておみやげをもらった気がする。
私が苦笑いを浮かべると、暁は笑いながら私の腕を取り指を絡めた。
「おいで。…ね?」
………そう言う暁の声の調子はいつも通りなのに、なぜか逆らえない気がした。
目を細めて私を見ている暁に向かって頷けば、暁は気を良くしたように繋がれた手を空にかざして楽しそうに笑う。
「よし。俺車で来たから乗ってけな!」
「うん」
そのあと私たちは大学構内の生徒用駐車場に向かい、暁のものだという小型の自動車に乗り込んだ。
その車内はどこか甘ったるい香りがして、車が暁のアパートに着く頃には頭の芯がくらんでしまっていて。
だから警戒心なんてみじんもなくなっていた。

