「ネタ帳に書いたの?」

「一応ね」

「次の新作に書くの?」

「まだ書いてない」

「まだってことは、いつか書くつもりなのね」

「いいの?書いても」

「べつに、いいけど」

「そう、ふくれるなよ」

「だって」

「とにかくそのワンピースは捨てるなよ。ちゃんと俺に見せてからじゃないと駄目だからな」

「うん」

「さぁ、さっさと片付けよう」




 あの場面は、まだ彼のネタ帳の中にある。いつ本の中で登場してくるのだろうか。

 私は違う意味でも待ち遠しくなった。三作目はいつ出るのかしら。

 私は世界一のファンかもしれない。





 END




 ※最後まで読んでくれた皆様、ありがとうございました!
                
                     
                 中沢結