振り返れば能力か武器を使われるなら、振り返る事はしない。

言葉も通じないのであれば、言葉を発する事自体無意味だ。

相手が叫んでる中、僕は覚醒し白い空気を見る。

背後に一人だけのようだ。

王を倒してからというものの、白い空気がある場所を三百六十度、一定の距離を探知できるようになった。

白い空気の中にある異物を知る事が出来る。

ただし、遠距離空気攻撃による内臓破壊の能力は目視しなければ使えない。

試してみたが、出来なかった。

そこまでの進化は遂げていない。

直接攻撃を基準とした空気爆弾と目視し距離を理解した後にしよう出来る遠距離空気攻撃が今ある全てだ。

ただ、直接攻撃から発生させる事が出来る遠距離攻撃は別だ。

距離はそう遠くない。

空気連弾の威力が落ちるといっても大した事はない位置だ。

「○⇒/!」

そろそろ、痺れを切らす頃か。

僕は相手が叫んだ後に肘を打ち出す。

肘が勢いで引き戻されるのと同時に空気が爆ぜ、相手を捕らえる。

相手の声が聞こえなくなった。

僕が背後を確認すると、布で身を包んだ長髪の男が倒れていた。

ダメージを受けて気絶とまではいかないが、すぐには立てないといったところだろう。

傍に銃らしき武器が落ちているので拾い上げ、男に向ける。

男は苦渋の表情を浮かべた。

どうやら感情もあり、見た目も人間のように見える。

しかし、この世界にいる以上は人間ではない。

能力者という化け物だ。