「…あの…その…す、好きです…」


今俺の目の前にいるのは、学校中のマドンナ


…たしか、一年だったと思う…


俺の一個下だ


俺は今、彼女がいねぇ


好きな奴もいねぇ


そんな俺の返事はもちろん


「…ごめん」


振った


その瞬間、まわりがざわめいたのが分かる


え?人前でやってんのかって?


…まぁ…そうだな


もちろん最初は人気のないところに呼び出された


そのときにはここに誰もいないのも確認した


だけど俺は”桜鬼”のメンバーで


目の前の女は学校のマドンナで


そんな二人の追っかけなんて数え切れねぇくらい居る訳で


隠れてるつもりなのか見られている


目の前の女は振られるなんて思ってなかったのか、口をあんぐりと開けている