【完】甘々100%②



今ここで、何もないとごまかすカナちゃんを放っておけば、何か取り返しのつかないことになる気がする。


俺の手を、離れて行ってしまう気がした。



「ごめん、なさい…」



弱々しい声で、それだけ呟いたカナちゃん。


俺はなんだか情けなくて、カナちゃんを抱きしめる腕に力を込めた。



「謝らなくていいから、どうしたの?」


「………」


「カナちゃん…?」


「怖、い…」



怖い…?

一体、なんのことだろう。



「雪夜が、離れて行っちゃうのが…怖い…」



今にも消え入りそうなカナちゃんのセリフに、俺の思考回路は一時停止した。