その反面、不意にカナちゃんが不安気な表情をすることが多くなった。


まるで、俺の顔色を伺うようなカナちゃんに、何度かどうしたの?と聞いたことはあるけれど、帰ってくるのはいつも同じ台詞。



『なんでもないよ?』



それ以上、俺は何も聞かなかったけれど…もしかすると、カナちゃんはずっと何かに悩んでいたのかもしれない。


それは…俺が、原因?



「ねぇカナちゃん、何かあった?そんな辛そうな顔しないで、一人で悩まないで話してほしい」



背中を撫でながら、優しく声をかける。


カナちゃんは俺の胸に顔を埋めたまま、一向に顔を上げようとはしない。


カナ、ちゃん…。