「雪夜っ…」
俺の名前を呼びながら、辛そうに下唇を噛むカナちゃん。
その表情は、不安でいっぱいで、俺は困惑した。
どうしたのッ…?
俺が何かしてしまったんだろうか、悲痛なカナちゃんの様子に胸が痛くなる。
「嫌なところ…あったら言ってっ…?」
嫌な、ところ?
「直すから…全部、言ってほしいっ…」
待って、カナちゃん。
「カナちゃん、落ち着いて!」
抱きしめて、背中をさする。
そういえば、俺はふと、最近のカナちゃんの様子を思い出した。
仲直りしてから、カナちゃんはとても素直になった。
今までは恥ずかしがってあまり言ってくれなくなった言葉も言ってくれるようになったカナちゃんに、俺は嬉しさを感じていた。