うーん…と、考えるような仕草をするカナちゃん。



ごくりと唾を飲み、その口から紡がれる第一声を待つ。



「ごめんね。今月、お金そんなにないの…せっかく誘ってくれたのに、ごめん…」



って、ええ!

まさかの返事に、拍子抜けする。



「そんなの俺が出すって!当たり前じゃん!」



彼女に旅行代出させる男なんて、いないでしょ…!

カナちゃんってば律儀だなぁ〜、そんなところも好きだ、なんて思う。



「そ、そんなの悪いよっ…!」


「悪くないって、ていうか俺がカナちゃんと行きたいだけだから!!お願い…ダメ?」



両手を顔の前で合わせて、頭を下げる。



「うーん…でも…いいの?」


「もちろん!!カナちゃんさえ良ければ!!」


「…うん、行きたい…」



いよっしゃああああ!!!


行きたいいただきました!!


ついにカナちゃんからyesをもらい、俺は小さくガッツポーズ。


そうと決まれば、話は早い!!



「それじゃあ計画立てよう!!」


「うんっ…!」



親父に一番いいとこ聞いて、絶対カナちゃんに喜んでもらえる旅行にしよう…!


俺は浮き足だって、頰が緩みまくる。



そんな俺を見ながら、カナちゃんがクスッと笑った。



やばいやばい、楽しみすぎるって!



早速楽しみで仕方なくなってきて、俺はだらしなく笑い返した。