本当に嬉しそうで、照れながら笑う雪夜。
私は思わず下唇をかみしめて、雪夜にぎゅっと抱きついた。
「カ、カナちゃんっ…!?」
「ちゃんと、思ったことは言葉にしようって思ったの。もっと素直になるからね…」
正直、まだ雪夜にフラれた日のことを鮮明に覚えている。
あの時、本当に怖かった。
雪夜がいなくなると思ったら、目の前が真っ暗になって、こんなことなら意地をはるんじゃなかったと過去の自分を責めた。
だから…これからはちゃんと素直になるって決めた。
雪夜に、捨てられたくない…
ぎゅぅぅ…っと、抱きつく腕に力が入る。
「カナちゃん…?どうしたの?」
…どうしよう…泣そうになってきちゃった…
上から聞こえた雪夜の声が、凄く優しくて、泣きたくなる。
好き、大好きっ…
だから、いなくならないで。