私は用意していたノートをカバンから出し、海くんに渡した。



「え?なにこれ…?」


「テスト対策ノート!山をはったところ全部まとめたから、各教科テストの前日に、出来る限り頭に叩き込んで!」


大体、どの先生は授業で説明するどの部分をテストに出題するか、というのを1年の間に探ったので、確実に何問か出るはず。


先生によってタイプがバラバラで、生徒可愛さに出題部分をポロポロ言ってしまう先生もいれば、

あまり重要視せずに進んだ部分を出す意地悪な先生もいる。


海くんは私の渡したノートをパラパラと捲り、真剣そうに目を通した。



「小野…これ、俺のために…うぅ、ありがとうっ…!!」


「ふふっ、お礼をいうのは欠点免れてからにしてよ〜」


「おう!俺、自己最高点とってやる!!」



「今日も夜まで猛勉強だぁー!」と叫びながら、海くんは喝を入れるように頬をパチパチと叩いた。



私も、頑張ろう!



「そろそろ解散しよっか」


「おう!そうだな!」



勉強会は、毎日雪夜の家におじゃまさせてもらっていた。



どうしてか私の家は絶対ダメ!というものだから、消去法で雪夜の家になって…。



毎日、私と海くんはテーブルで勉強、雪夜と伊吹はソファでなにやら熱く話していた。