「俺と海の話はどうでもいーんだよ。お前はカナちゃんといつ知り合ったわけ?」
もういいだろ、と話を終わらせ、今度は俺の番。
「小6。俺らも、カナコが転校してきた。カナコも転校してきたなりすぐに学校のマドンナになって、男に囲まれてたわ」
まあカナちゃんが可愛いのなんて。わかってるしわかりきってる。自然の原理というか、カナちゃんが可愛いのなんて時が止まらないのと同じくらい当たり前。
そんなカナちゃんが、周りの注目を集めている姿なんて簡単に目に浮かんで…
想像しただけで、腸が煮えくり返るどころじゃすまない。
「………」
「怖い顔すんなよ。…ま、お前と海みたいな感じ。マジでそっくり」
「どういう意味だよ」
「海がお前に助けてもらったように、俺もカナコに助けられた」

