あれは、今でも覚えている。 当時の海は声変わりしておらず、女のような声をしていて… …しかも、髪が長かった。 「は?ロン毛って…こと?」 「…海の母さんが女の子ずっと欲しがってて、女の格好させられてたんだよ」 俺の言葉に、ぶふーっと汚く吹き出す有川。 『は、初めましてっ…西条海です…』 俺はわからなかったが、どうやら当時の海はずば抜けて可愛かったらしく、クラスの男子は全員揃って一目惚れ。 …が、もちろんすぐに海が男だとバレ…海は女男だと冷やかされた。